2009-06-08から1日間の記事一覧

ニューロマンサー

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)黒丸 尚 by G-Tools(第二部冒頭より引用) 故郷。 故郷はBAMA,<スプロール>、ボストン=アトランタ=メトロポリタン軸帯。 データ交換の頻度を表示する地図をプログラムしてみよう。巨大なスクリーン上のひとつの画素が千…

姑獲鳥の夏

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫) by G-Tools(25頁目より引用) 「意識こそが重要だ。君がつまらん小説を読むのも、この壺を見るのも、はたまた存在しない幽霊を見るのも、意識あってこそだ」 「また解らんことをいう。心と脳は別々でその他にまだ意識が別に…

愚者の街

愚者の街 (集英社文庫) by G-Tools(223頁より引用) 「生きのびたいんだろう?」 「自分の運を試してえ。いままで、人の運にへばり付いてただけだ」 「生き延びても、逮捕されるかもな」 「逃げるさ。そこまでが、運試しだ」[感想] 男である。 男しか解らな…

鎖 (文春文庫) by G-Tools(294頁より引用) 「女に苦しめられるには、いろんなことをやりすぎたよ、俺は」 「女を苦しめる男もいる、そういったでしょ」 「俺の恋人は、苦しんでいるとは思えんな」[感想] 芸能プロの社長が、昔裏切られた相棒を庇いながら進…

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上)

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米篇 (上) 文春文庫 (127‐8) by G-Tools (55頁より引用) いつも軽くしびれてしくしく痛む右手が氷雨やリールの金属の肌やで骨まで冷えこみ、凍りついたみたいにこわばっている。竿をふった瞬間に疼痛が右腕を走り…

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米編 (下)

もっと遠く!―南北両アメリカ大陸縦断記・北米編 (下) (文春文庫) by G-Tools (39頁より引用) かわいいハマグリの淡桃色を一刷きあえかに刷いた、白い、むっちりとした肉、それにレモンをしぼりかけると、キュッとちぢむ。オツユをこぼさないようにそろそろ…

冬の眠り

冬の眠り (幻冬舎文庫) by G-Tools (298頁より引用) 棲んでいるのは、一対の雄と雌である。 二人は、のたうち回りながら絵を描き、どうしても満足できずにさらに苦しみ、しかしお互いの絵を二つ合わせると、なにか安心できるものが発見できるらしく、いがみ…

ベトナム戦記

ベトナム戦記 (朝日文庫) by G-Tools (170頁より引用) 人間は何か「自然」のいたずらで地上に出現した、大脳の退化した二足獣なのだという感想だけが体のなかをうごいていた。私はおしひしがれ、「人間」にも自分にも絶望をおぼえていた。数年前にアウシュ…

行きどまり

行きどまり (講談社文庫) by G-Tools (267頁より引用) 「くたばる場所。それが行き着くとこさ」 「おい、そんなこと考えてんのか、安?」 「人間は、みんなくたばるんだぜ。明日かもしれないし、一年後かもしれない。五十年後、六十年後かもしれない。百年…

水色の犬

水色の犬 (徳間文庫) by G-Tools (291頁より引用) 自分が溶けていきそうになる。そう思った。このまま、ニューヨークへなぜ行けないのか。行ったら、爺さんが怒りでもするのか。 仲間、だった。仲間は、死んでも仲間だ。仲間が殺されたということは、俺が殺…

白日

白日 (小学館文庫) by G-Tools (376頁より引用) 「川井さん、あんた、能面に救いを求めているのか?」 「救いかどうかは、わからん。君が打っている面に、私が求めているものはない、ということはハッキリ分かったが。それでも、激しく心を揺り動かされる自分が…

みるなの木

みるなの木 (ハヤカワ文庫JA) by G-Tools (70頁より引用) 橋を渡ると館までは緩いまいまい坂が続いていて、昔はここに垂直自在車や捻転エンジンの高砂籠(エレベーターのようなもの)があったから皆喜んでそういうものに乗ってしまうから、まいまい坂の土産…