鎖 (文春文庫)鎖 (文春文庫)

by G-Tools


(294頁より引用)
「女に苦しめられるには、いろんなことをやりすぎたよ、俺は」
「女を苦しめる男もいる、そういったでしょ」
「俺の恋人は、苦しんでいるとは思えんな」
[感想]
芸能プロの社長が、昔裏切られた相棒を庇いながら進行する物語。
この物語は本当に男の弱さと女の強さが際立って浮き上がってくる。
男は弱く煩悩の塊で、そのくせ突っ張って自分の思いに突っ走ってしまう。
そういった青臭い美しさこそがハードボイルドの魅力なんだなぁと再認識させる、そんな作品です。
[情報]
ISBN4-16-741908-4
北方謙三
文春文庫
http://ja.wikipedia.org/wiki/北方謙三